山﨑賢人が不器用で、ひたむきなピアノ調律師を熱演した映画『羊と鋼の森』。
この映画を見てピアノ調律師という仕事に興味がわいた方も多いのではないでしょうか。
でも、ピアノ調律師ってどうやったらなれるの?
この記事では、ピアノ調律師という仕事を深掘りしていきます。
目次
『羊と鋼の森』を見てピアノ調律師に興味がわいた方必見!調律師になるためにやる事
東宝MOVIE公式YouTubeチャンネルより
『羊と鋼の森』とは
『火花』『君の膵臓をたべたい』など例年よりも話題作が多い中、2016年第13回本屋大賞を受賞した小説『羊と鋼の森』。ピアノの調律師という世界を繊細な筆致でつづり、多くの読者を感動させた本作が、遂に映画化。ピアノの音、森の景色や山の香り、心を打つ言葉… 映画だから可能な、五感を刺激する美しい映像を、豪華キャストとスタッフでお届けします。
ピアノの一音に故郷の森の匂いを感じ、調律師の世界に踏み入れていく新米調律師の主人公、外村直樹を演じるのは、多数の話題作に出演し、幅広い層に人気を誇る俳優・山﨑賢人。ひたむきに調律師の仕事に向かい合う真面目で不器用な青年役で役者として、新境地を開きます。そして、外村が調律師になるきっかけを与え、彼の人生を導いていく物静かな調律師、板鳥宗一郎役を、日本映画界を代表する名優・三浦友和が演じます。外村を指導する情熱的な先輩調律師・柳役に、鈴木亮平。ピアニストの姉妹・和音(姉)と由仁(妹)役を、実の姉妹でもある上白石萌音、上白石萌歌が演じます。さらに、光石研、吉行和子、堀内敬子、仲里依紗、城田優、といった実力派俳優陣が脇を固めます。
スタッフも第一線で活躍する超豪華メンバーが結集しました。山﨑賢人主演の映画『orange -オレンジ-』で大ヒットを飛ばした橋本光二郎監督。音楽に世武裕子、脚本に金子ありさ。そしてエンディング・テーマは久石譲が作曲し、辻井伸行がピアノを演奏するという、世界的なアーティストの初めての共演が実現。超豪華スタッフ陣が『羊と鋼の森』の独特で繊細な世界を美しく丁寧に描き出します。
ピアノ調律師とは
ピアノの基本的な音色を創る調律の専門技術者
ピアノ調律師とは、ピアノの音を調律・保守管理する職業のことです。家庭や学校、またはコンサート会場や各種スタジオに出向き、ピアノの調律や保守を行います。
音楽的原理に基づき音程をつくる調律
ギターやベースなどは自分でチューニング(調律)できるように作られており、チューナーという音を合わせるための機械もあるので、誰でも簡単に音を調整することが可能です。
しかし、ピアノはハンマーが弦を叩くことによって音が鳴るために、内部の構造が複雑となっており、ピアノの弦は200本以上にも及ぶため、ピアノ調律師の専門出来の技術力と知識が必要となります。
最適な状態で音が出るように仕上げる整調・整音
ピアノは温度や湿度や環境の変化でも音色に影響を及ぼすとても繊細な楽器です。イメージ通りの微妙な音色を創り出す整調・整音を行います。
部品交換などの修理
経年劣化で、弦が緩んでくるため音程が狂ってしまったり、ペダルや鍵盤が動かなくなってしまうこともありえます。ピアノ調律師は「ピアノの専門家」とも言え、その守備範囲は広く調律以外の外的な修理に至るメンテナンスまで任されることがあります。
調律師になるには
ピアノ調律師になるためには、調律師の技術を学ぶために基本的には、ピアノ調律師の学科がある大学や専門学校、音楽楽器メーカーの調律師養成学校に行くことが一般的なルートです。調律を扱う音楽大学や専門学校などの養成機関でピアノの修理や調律を学び、実際に技術を習得していきます。
主な専門学校・大学
・ESPエンタテイメント東京 ピアノ調律科
・中部楽器技術専門学校 ピアノ調律科
・鹿児島国際大学 音楽学科
ピアノ調律師には、ピアノ調律技能士という国家資格がありますが、これは経験者の技術を認定するもので、持っていなくても就職は可能です。専門学校卒業後に楽器店や調律を専門にしている会社や、ピアノの製造・修理会社に就職し、そこで修行をしながら一人前の調律師を目指していくという形をとるので、見習いと調律師の明確な境界線はありません。
しかし、就職してすぐにお客様のピアノを調律出来るわけではありません。勤務先によっては入社して数か月か経たないと調律ができないところもあり、グランドピアノの場合ですと数年の経験が必要となる場合も考えられます。
また、ピアノ調律技能士の国家資格を取得していると顧客の信用や就職時に有利に働く場合もあります。
資格には1級・2級・3級とあり、2級と3級は学校に通って学んでいれば取得することが可能です。1級は若干難易度が高いため容易に取得することは難しいかもしれませんので、1級合格を目標に勉強していく必要があります。
ピアノ調律師の将来性・給料など
ピアノという楽器のニーズがなくなる事は考えにくい
ピアノ調律師という職業は、長期間の修行や下積みによって会得した技術力を駆使して手作業で調律していく職人業と言えます。
が、年収にして200〜300万円から始まる事が多数でしょう。
しかし、ベテランになり技術が高くなり、幅広く仕事をこなしていけば、年収が1000万円近くなることもあるようです。基本的にピアノ調律の料金は、1回1万円ほどが相場なので、件数を多く獲得できるかが年収に直結してきます。
また、ピアノの販売数の減少や少子化の影響も大きく、今後もこの傾向は続いていくにせよ、ピアノという楽器のニーズがなくなることは考えにくいので、ピアノ調律師の需要自体はあり続けるでしょう。
まとめ
日々の成長を実感出来るやりがいのある職業
ピアノ調律師の仕事は”やりがい”を感じる専門性の高い仕事です。ピアノの調律や整音は、調律師の技量やセンスによって音色や鍵盤をたたいた時のなめらかさがまったく違うので、自分のイメージどおりの音を奏でた時の満足感はひとしおです。また、調律の技術により顧客から感謝される事も多いでしょう。
明るく静かに澄んで
懐かしい文体、
少しは
甘えているようでありながら、
きびしく深いものを
湛えている文体、
夢のように美しいが、
現実のようにたしかな文体
原民喜「沙漠の花」より
この言葉は主人公が、その後の人生の指針としていく言葉です。調律師の仕事を表す言葉として劇中で紹介されます。
調律師は自分自身の技術を磨き努力を怠ることなく日々精進し、成長を実感できる職業です。そのため、ピアノ調律師は非常にやりがいのある職業だといえます。
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